しとしとと雨が降り続くあの日、あの子をお見送りしました。
ご依頼のお電話からは、不安な気持ちが伝わってきました。
県外から引っ越されてきたご家族。以前、家族のワンちゃんを送られました。その時は、ペットちゃん専用のお別れができる施設で行ったお別れ会。こちらはどうなのか? お宅はどんな事をしてくれるの?
専用の施設は持っていません。よく言えばアットホーム。悪く言えば素人臭いかもしれませんが、心を込めて、お手伝いをさせていただきます。
詳しくご説明させていただき、ご納得いただけました。
そしてお別れ会当日。
お話を伺いながら、持たせてあげるものを準備し、猫じゃらしは先のもじゃもじゃだけ、ご家族にカットしていただき、猫草や好きだったという鰹節も。
空気を読み気を遣う子でした。家族全員に均等に挨拶したり、足元でスリスリしたり。
尻尾の上にあるぶち模様が特徴的で、お手手やお顔にも茶色い模様が入っています。
よーく見てあげてください。抱っこもしてあげてくださいね。
「なかなか抱かせてくれなかったからなぁ。」
ゆっくり愛おしむように抱くご家族。
私は花を切りながら邪魔にならないようご家族で過ごしていただきました。
無宗教のお別れで、お経を読んだりもしませんが、りゅうちゃんと過ごした13年を想いながら流れる時間。
「飽きっぽくて、どんなオモチャも遊んだのは最初だけだったなぁ。」「2歳くらいまでは抱っこさせてくれたなぁ。」「可愛いなあ。」
お別れの時はあっという間に過ぎてしまいました。
ちいさな花束を持って、みんなからの愛情をたくさん胸に詰め込んで行ってらっしゃい。
生まれてきてくれてありがとう。
スコテッシュフォールドのりゅうちゃん。