初夏の青空の下、バタバタとするご家族。
火葬の予約は取れたけれど、何かが足りない…。
お棺、ちゃんとしてあげたい。この子を連れて帰る壷も。
お見送りする時間は迫っているけれど…。
ご連絡をいただきご自宅へ伺いました。
推定17歳。出逢いは16年前の3月でした。迷子になっちゃったの?もしかして、捨てられてしまったの?ご近所の方が可愛らしい女の子を保護しました。飼い主さんがみつかなかったため、家族に迎えることになりました。
淡いグレー、ベージュ、白の縞々模様。女の子。名前を「愛」とつけました。
お兄ちゃんたちとも仲良くなり、日に日に愛おしい存在に。
家族として暮らしてきましたが、私たちよりも何倍ものスピードで生きる猫。老いることは止められない…。
春頃から具合が悪くなり、5月の連休にはもういよいよかと覚悟を決めるほどに。それでもフラフラと歩き玄関でお出迎えしてくれた愛ちゃん。
それから約1ヶ月。
よく頑張ったね。
たくさんの幸せをくれた愛ちゃん。大丈夫だよ。しっかりお見送りするからね。
遠くからお兄ちゃんが駆けつけてくれます。時間はギリギリ…! お母さん、お花を買いに行ってくれました。可愛く包んであげるからね。
大好きなかつお節、いつものカリカリ、持たせてあげよう。お手紙、書く時間がない!持って出て後で書こう。
真っ白いお布団に寝かせてあげよう。枕、低いかな?タオルを下に敷いたらちょうど良さそう。
お花で包んで。お兄ちゃんと合流! 間に合って良かった。
少し早めに現地に到着、これからの時間は愛ちゃんとお兄ちゃんの時間。今日来れなかったお兄ちゃんの分も声をかけてあげます。ここにはいないけれど、気持ちはしっかり伝わっているよね?
お口が乾かないように、お水もチョンチョンしてあげました。
バタバタしたけれど、家族4人でお見送りしました。
ねえ愛ちゃん。あのとき出逢えてよかったね。お外にあのままいたら、どんな毎日だったのかな。あたたかいお家、優しいお母さん、お父さん。2人のお兄ちゃんも1度に出来て、毎日安心して過ごせたね。 毎日の点滴頑張ってくれたのも、みんなのことが大好きだからだよね。
生まれてきてくれて、うちの子になってくれて ありがとう。
きっとまた逢おう。
大切な家族だから最後まで愛を込めて