「余命宣告を受けた‥」
振り絞るような声で話すママさん。顔見知りで、以前「うちの子自慢」をしたことがありました。
あの子が‥
落ち着いて、今できること、してあげられることを考えましょう。
その翌日、またご連絡をいただきました。食べられる物があるかもしれません。柔らかい物ならどうでしょう?好きな食べ物はなんですか?呼吸は苦しそうですか?もし、苦しそうだったら‥酸素ハウスの貸し出しをしてくれる所がありますよ。直接ご紹介させてもらうこともできますが、りんこちゃんが通っている先生もご存知なので、相談されては?
もし寝たきりになってしまったら、床ずれに気をつけてくださいね。お口の中も気をつけてあげてください。うちの子は重度の口内炎にしてしまい悔やみました。
それから約3ヶ月
「今朝亡くなりました‥一緒に寝ていて、看取る事ができました。」
伺うと、お気に入りだというフカフカベッドに可愛いお顔で眠るりんこちゃん。このベッドじゃなきゃだめで、同じ物を用意してもいつもここで。
「可愛いね、りんちゃん。ぜーんぶ可愛い。お手手もプニプニもぜーんぶ。」
話しかけながらも気丈に振る舞い涙をこぼさないママさんより先に泣いてしまい、横を向きながら話の続きを‥元気な時のりんこちゃんのお話聞いているから‥この3ヶ月どれだけ頑張ったのか、りんこちゃんも、ママさんも‥
天然の猫じゃらしとワラをお手手に持たせてもらってまるでスヤスヤ眠っているよう‥よく頑張ったね。ママさんがそばにいてくれて安心して眠りについたのかな。
数日後、ママさんからご連絡がありました。そして伺うと、車1台いっぱいになりそうなりんこちゃんの物が集められていました。
「保護猫ちゃんたちにあげてください。」
捨てるのは切ない。目につくところにあるのも辛い。誰かの役に立てるなら。
「りんこちゃんから幸せのお裾分けです。」
綺麗に洗ってあるトイレ、キャリーやベッド、カリカリ、おやつ、トイレシーツ。
「こんなにいただいていいのですか?何か残さなくて大丈夫でしょうか?」
「大丈夫。りんこちゃんは心の中にいるから。」
電池で動くおもちゃに最初はそろーりと近づいてきたにゃんこ。そして、また1にゃん、2にゃん。ワラワラと集まるにゃんこたち。
ここは譲渡型猫カフェもふもふさん。保護されここに来た猫たち。本当の家族の迎えをまっています。
「キミたちよかったね。先輩にゃんこのりんこちゃんからのお裾分けだよ。」
りんこちゃん、幸せだったね。ママの言葉響いたよ。お裾分けありがとう。
生まれてきたみんながあなたみたいに幸せにくらせますように。