スピッツのしろくんとお父さん。
パラパラ雨が降ったり止んだりすっきりしない空模様でしたが、しろくんの先輩ワンコ、リリーちゃんの旅立ちを見届けると…急に青空が見えてきました。
「収骨までおまかせします。私は家でもう1頭いる子と待っています。」
リリーちゃんをお家まで送るとお父さんたちが歩いてきました。
「はじめまして。リリーちゃんより2周り位大きいんだね。お名前は?」
「しろです。白いからしろでいいかって。」
こんなに2人は自然な感じがするけれど、まだ家族になり数ヶ月だということ。
「この子は繁殖犬だったんです。おそらくずっと狭いケージの中でかろうじて生きてきたんだと思います。」
「あっ!歯が…。」
ボロボロの歯。リリーちゃんは17歳と高齢にもかかわらず、とっても立派な歯でした。ご家族が健康に気をつけ食事にも気を配ってきた愛情の証。
「この子は年齢もわからないんですよ。どんな環境に置かれていたのかも詳しくは聞きませんでした。」
「新聞記事を読んで決めていたから。」
〝繁殖犬〟〝レスキュー〟〝里親募集〟〝終生飼育〟
もう充分でした。お父さんは言いました。
「この子の寿命が尽きるのが明日でも10年後でも構わない。年齢がいくつとか、歯がボロボロとか、そんなことも構わないんです。」
「今幸せにしたいと思いました。」
しろくん、よかったね。本当によかったね。まだ家の中では興奮したり時々暴れたくなっちゃうこともあるけれど、少しずつ、少しずつ。お父さんもお母さんも、キミの全てを受け入れてくれるから。だから大丈夫。たくさん新鮮な空気吸って、鳥の声や飛行機の音も聞いて、花や草や土の匂い、これから始めての雪も全部好きなだけ楽しむことができるよ!
それにね、大きな優しい手で毎日撫でてもらおうね。
「可愛いね、賢いね、えらいね、すごいね。」
たくさん声をかけてくれるよ。
だから安心して、ゆっくりゆっくり生きるんだよ。
そして、もし余裕ができたら。リリーちゃんの祭壇前で涙を流すお父さん、お母さんに、そうっと寄り添ってあげてね。
大切な家族だから最後まで愛を込めて
虹の架け橋ぷう 公式ホームページhttp://nijinokakehashi-poo.info/